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Garth & Maud Hudson / Live at the Wolf

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ご存じザ・バンドのガース・ハドソンと奥さまモード・ハドソンの2ピースユニット「Garth & Maud Hudson」がカナダ・オンタリオにある400人弱の小さなホールでのライブを収録したアルバムが「Live at the Wolf」。

ガース・ハドソンの写真を初めて見たのは中学生くらいの頃。その時はびっくりした。ロック好きの従兄が持っていたザ・バンドのアルバムのジャケット写真だったのだけど、当時ロック・ミュージシャンと言えば、カッコ良いもんだと思っていた。だけど、彼らはなんだか炭鉱町のおっさん達って感じで、その中でもガース・ハドソンはむくみ気味のデカ顔に極端な奥目、髪型もヒゲも異次元な感じで、こういう人たちもロックをやるんだ、って意外に思ったのを覚えている。

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ザ・バンド。右から2人目がガース・ハドソン。

そんな失礼な話はさておき、音の方は打って変わって、なんと言ってもガースのピアノの表現力が素晴らしい。ピアノという楽器の良さをこれでもかというくらい引き出している。ホールに響き渡る音色も良いし。それにモードのちょっと低めのボーカルもそれに劣らず表情豊か。小さなホールでリラックスしてやってる感じながらも、何か神聖な空気感が漂ってくる。

12曲目は、あの「The Weight」。ラスト・ワルツの中で、ステイプルズの女性が歌ってるちょっとゴスペルが入ったファンキーな感じを思い出させるところもある。モードのシンコペーションを効かせたボーカルと、縦横無尽に動き回りつつ、抑えるところはぐっと抑えたガースのピアノ。ザ・バンドの泥臭い感じとはずいぶん違って、何かとても清らかで透明感あって、心洗われる感じに仕上がっている。