Nice Music! That hits the spot!

良い音楽との良い出会い。それは生涯追求し続けたいテーマ。

Roberta Flack / Roberta

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「Sweet Georgia brown」という曲を通じてこのアルバムを知った。ロバータ・フラックと言えば、1973年の「優しく歌って(Killing me softly)」や、その後ヒットしたダニー・ハサウェイやビーボ・ブライソンとのデュエット曲など、メロウな曲の人と思っていたのだけど、この曲は、冒頭こそふわーっと入りながらも0:18″あたりから、急激にタイトなファンキービートになり、そのビート感がとても気持ち良い。

この曲に出会ったころは、まだ会社勤めをしていた頃で、日々つらいことの多いストレス溜めた帰り道、このビートを聴くたびに、換気の悪い部屋の窓を開け放したときのような、なんかすがすがしいものが身体に注入されてくるような、そんな気分を味わえたことを思い出す。

その時実は、この「Sweet Georgia Brown」を、初めて聴く曲として認識したのだけど、その後知ったところでは、実は幼いころからメロディーを知っていた、ジャズの超スタンダードな曲だった。

 


Sweet Georgia Brown - Louis Armstrong

 

このアルバムは、1994年の発表されたもので、ほとんど全曲ジャズやR&Bのカバー曲で構成されたアルバム。このアルバムのロバータが僕はとても良いと思うのだけど、一部のツウには受けつつも、セールスはあまり伸びなかったようだ。

良い評価としては、古いスタンダード曲に新しい命を吹き込んでいるなんていう賛辞があった一方で、この「Sweet Georgia Brown」については、「なぜこんな過剰なアレンジの失策で聴き手を悩ませるのか」というような評論もあったらしい。

このファンキービートのアレンジは、古き良き曲をこよなく愛する評論家先生の保守的な音楽理解キャパシティーをはるかに超えてしまったのだろう。マニア故の不自由さというのか。幸いなことに、私はそんなにマニアじゃなくてよかった。おかげでこの曲にはずいぶん救われたものだ。