Nice Music! That hits the spot!

良い音楽との良い出会い。それは生涯追求し続けたいテーマ。

Steve Miller Band / Seasons

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今回のご紹介はアルバムではなく曲。「Seasons」という曲。

ティーブ・ミラーという人は、1960年代後半から、ずっと第一線にいて、2016年には「ロックの殿堂」入りしたという大変な方。日本でももちろんメジャーだけど、本国アメリカではもっともっと評価が高いらしい。僕もそれなりにはチェックをしてきたのだけど、でもそんな言うほどにはって感じでいまいちピンと来ないぞと思っていた。

ところがある日、この「Seasons」という曲と出会った。

何か山の奥深くで出会った秘境の滝の周囲に漂うオゾンたっぷりでちょっと冷えて凛とした空気のような、とても清い感じの曲だ。アコースティック・ギターのバッキングに、彼の朴訥なボーカル、それに要所要所に入る透明感ある声でのコーラス。

自分もアコギで歌う人間として、こんなにも清く、心に響く曲を歌えるようになりたいものだという気持ちとも相まって、とても印象深い曲だ。

実はこれを聴いて、この曲が入っているアルバムをタワレコonlineで買ってみた。1969年発表の「Brave New World」 というアルバム。さっそく聴いてみて唖然。全然違う曲。えーっと思って聴き比べたら確かに同じ曲なのだけど、アレンジが全然違って、なんかいい意味ではなく粗削りなのだ。

その後調べて、この曲は2017年に「Ultimate Hits」というオムニバス版を出す際にセルフカバーを録音しているようで、最初に聴いたのはこっちのバージョンだった。

そのセルフカバーの録音をいつしたのかは不明だが、最初の録音の1969年からは40数年くらいを経ている。そうなると、その間のさまざまな人生経験や辛酸の末に醸成された人間としての幅やキャパシティーによって、あのバージョンの清く心豊かな楽曲が生まれたのではないかという気がする。