Nice Music! That hits the spot!

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Young gun silver fox / West end coast

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ジャケット写真だけ見ると、高速道路のサービスエリアとかで売ってる「夏の海岸ドライブにおススメの曲集」なんて感じの寄せ集めCDみたいだけども、音はそんなんじゃ全くない。ウエストコースト・サウンドの伝統をきっちりと受け継いだ大人のロック。これは2015年発表のアルバム。

Young gun silver fox と長いユニット名の彼らは、バンドというより2人のセッション・ユニット。ひとりは、ママズ・ガンというイギリスのバンドでフロントを張っているアンディー・プラッツ。もう一人はショーン・リーという様々な音楽・楽器に通じた“マルチ・ミュージシャン”と称されている人。この人は生まれはアメリカなのだけど、今はロンドン在住らしい。

ということは、ジャケ写といい、サウンドといいアメリカ西海岸の匂いがプンプンなのだけど、このユニット自体はイギリス国籍な感じが強い。今どき、アメリカだイギリスだと区別するのは意味がないってことかもしれないけど、国籍に加えてアンディー・プラッツという男は外見的にもウエストコーストな感じがしない(私の偏見かもですが)。

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アンディー・プラッツ(左)とショーン・リー(右)

彼らはふたりとも、ウエストコースト・サウンド、それも70年代終わりから80年代初めにかけてのものに強い思いを持っているようだ。もともとヒッピームーブメントの一翼をなしカウンターカルチャーだったロックが、だんだんビッグビジネスになり、全体的に洗練され、落ち着きを持ち始めてきた頃のウエストコースト・サウンド。それでいながら、カリフォルニアの気候風土のせいなのだろう、さわやかな空気感はたっぷりと含んでいたころの音楽。

アルバムの各楽曲はまさに、その頃の曲の雰囲気をまとっているのだけど、そこにそれから約40年を経た今の空気感も巧みに取り入れられてる感じ。とても贅沢で質の高い大人のロックになっている。