Nice Music! That hits the spot!

良い音楽との良い出会い。それは生涯追求し続けたいテーマ。

Air supply / The singer and the song

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エア・サプライと言えば、80年代、日本が一番輝いていたころ、クルマや家電が世界を席巻して、高度成長の達成で十分豊になったし、これからもずっともっともっと豊かになっていくのなかって思えた時代、そんな時代に、潮風を感じさせるさわやかな曲を次々出して世界進出をしたオーストラリアのグループ。

最盛期は7人編成で、その後メンバーの入れ替えを繰り返しながら、今は元々コアメンバーだったラッセル・ヒッチコックとグラハム・ラッセルの2人になった。でも、このままエア・サプライとして活動を続けている。

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メインボーカルのラッセル・ヒッチコック(左) プロデュースも手がけるグラハム・ラッセル(右)

それにしても、このアルバムはすごい!

彼らのヒット曲の数々を、アコースティック・アレンジで収録しなおした、セルフカバーのアルバム。2005年の作品。もともと彼らの曲はさわやかさが売りだったわけだけど、楽器を絞って演奏をシンプルにし、ボーカルも2人のコーラスをかなり生な感じで録っていて、さわやかさが2倍・3倍増し!

アメンバー2人が長年いろんなことにトライして、2周も3周も回ったすえに行きついた境地、より純粋な歌の神髄的なところだけをすくいあげて音にしてみましたって感じだ。それになんと言っても歌のうまさが際立っている。

1曲目はあの「Lost in love」。基本、曲の感じは変わっていないだけど、ボーカルもギターもより先鋭的になって聴く者の身体に染み込んでくる。さらに聴いていくと、そういえばあーこんな曲も、おーこんなのもって感じで出てくる出てくる、実はこれまで僕はそれほど意識をしていたバンドではなかったのだけど、こんなにたくさんヒット曲があったのだなと改めて思う。で、繰り返しになるけど、それらがみんなよりさわやか、先鋭感あるアコースティック・アレンジで再収録されている。

濁った川の水が浄水場の流れの中ですっかりきれいな水に生まれ変わるように、こんなアルバムを聴いていると、日々の生活で濁ってしまった心が浄化されてくるのではと思う。