Nice Music! That hits the spot!

良い音楽との良い出会い。それは生涯追求し続けたいテーマ。

John Oates / Miss the Mississippi and you

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ジョン・オーツ。そう、あのホール&オーツのオーツ。

ホール&オーツは結成50年にもなるのだけど、その活動の後半では、野心むき出しのダリルが1人で目立ってメジャー街道を進むようになり、ジョンは脇に追いやられてしまった感じがある。だけども、実は渋く深い独特の世界を持っている人。僕が通ってるロックバーでも大変評価が高い。

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ダリル・ホール(左)とジョン・オーツ(右)

ソロ曲を聴いてて思うのは、普通に声出して歌う歌も良いのだけど、喉の奥から絞り出すような声でじっくりしっとり歌い上げる曲がじわっと心に染みてきて素晴らしい。ホール&オーツではあまり見られない(聴けない)ジョン・オーツの魅力だ。

そんなジョン・オーツの良さがとても出ているのがこの「Miss the Mississippi and you」。ジミー・ロジャースというカントリー・シンガーが1932年にリリースした以降、多くの人がカバーをしている曲。作者がBill Halleyとなっていて、えっ、あの「Rock around the clock」の?とも思ったのだけど、1932年というとあのビル・ヘイリーはまだ7歳なので、たぶん別のビル・ヘイリーだと思う。

この曲が入っている「Arkansas」というアルバムは、これまた古いミシシッピー・ジョン・ハートという、1920年代から活躍しているデルタブルースのレジェンドみたいなミュージシャンへのトリビュートとして作られたものらしい。

アルバム全体では、カントリー色が強い。それにブルーグラスとかブルースとかいずれもかなり泥臭い曲が多い。ホール&オーツをどちらかで言うと後ろで支えていたジョン・オーツがこういうバック・グランドも持っていたのだなということがまた興味深い。

この曲「Miss the Mississippi and you」は、都会の生活に疲れて、遠い故郷のミシシッピーと残してきた恋人を想う歌だ。そんな寂しい気持ちを歌いながらも、曲としては寂しい気持ちをやさしく包み込んで癒してくれる。しっとりとしたやさしい曲だ。

こういう曲に出会えると、これからの人生、何かつらいことがあったらこの曲を聴けば良いんだって、心の安心と勇気が得られる気がする。大げさじゃない。良い音楽にはそれだけの力と効用があるのだ。