Nice Music! That hits the spot!

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Orleans / ‘75 Live Harvard Square

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「Dance with me」でお馴染みのオーリアンズ。これは2010年発表のアルバムながら、1975年のライブ、発売時点で既に35年前になるライブを収録したものだ。ちょうど「Dance with me」が大ヒットしたその年、ちょうどぐんぐん勢いをつけていた頃。

「Dance with me」は、前年に出した彼らのアルバムに収録されていたのだけど、どうもそのレコード会社とは関係がうまくいっていなかったようで、そのアルバムはアメリカでは未発売。翌1975年、ウエスト・コースト・ロックで勢いがあったアサイラムと契約し直して発表されたアルバム「Let there be music」(「歌こそすべて」という邦題)に再録音をしたものを入れたのがヒットしたのだそう。

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アルバム「Let there be music」

さて、このライブ・アルバムには「Dance with me」の他に「Let there be music」や、「Time passes on」(「愛が過ぎて行く」という邦題、邦題に「愛」というワードを入れたがった当時のトレンドが見える)など、そのアサイラムのアルバムからの曲や、移籍前に出したアルバムの曲に加え、ちょっと異色で面白いのが「If the rabbit had a gun」「Fat mama blues」といった1930年頃の古いブルースをカバーした曲。

さわやかなシティー・ロックという感じの彼ららしくない、南部の泥臭い雰囲気なのだけど、どうもバンドの中心であるジョン・ホールは、もともとこうした音楽志向を強く持っていた人のようだ。バンド結成前には、ブルース系の人たちとのセッションも多くギターソロ弾きまくりのようなこともしていたらしい。スタジオ・アルバムには、なかなか入らないけどもライブでは演奏されるというこの手の曲を聴くことができるというのもこのアルバムの貴重なところだ。

ところでこのバンド、日本でのカタカナ表記では「オーリアンズ」というのが一般的。でもスペルを見ると「Orleans」で、これは南部ルイジアナの観光都市「ニューオーリンズ(New Orleans)」の「オーリンズ」と同じスペルだ。この違いはなんだ?と思って調べてみると、どうもアメリカ人の中でも話し手によっていくつか言い方があるようだ。かなり一般的な言い方としても2通り、①「ヌオリアンズ」で「オ」にアクセントが来る言い方と、②「ヌオリーンズ」で「リーン」にアクセントが来る言い方、、さらに地元のルイジアナ訛りが入った言い方だと、③「ヌオーランズ」で「オー」にアクセントが来るものと主なものだけでも3通りあるようだ。

このアルバムの冒頭では、ライブのスタートで彼らを紹介するMCの声が入っていて、そこでは②に近い「オリーンズ」(アクセントは「リーン」)という感じで言っている。でも、いろいろ調べると上記①的発音もそれなりメジャーではあるようなので「オーリアンズ」でも間違いではなさそうだ。そして「ニューオーリンズ」もカタカナ表記としては間違ってない。でもいずれにしても、アクセント含めカタカナ英語のままで本国に行って通じるかどうかは別だけど。