Nice Music! That hits the spot!

良い音楽との良い出会い。それは生涯追求し続けたいテーマ。

Phat Phunktion / Real Life .:. High Fidelity

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これは、アメリカ・ウィスコンシン州出身のジャズ・ファンク・バンド。何て読めば良いんだい?というバンド名だけど、「photograph」という単語のように、英語で「ph」の発音は「f」と同じ、「k」は「c」と同じということで、「Fat Function」と思えば良い。カタカナで書くと「ファット・ファンクション」。アルバムタイトルの中にある、コロンとピリオドのピラミッドは意味はわからない。

ウィスコンシン州音楽大学で1996年に結成されたバンド。もう結成20年を過ぎているから当時大学生だったメンバーは40過ぎになっているのだろう。一応今も現役のようなのだけど、数年に1度出すアルバム制作が活動の中心。ライブはたまに地元ウィスコンシンやる程度のようだ。

彼らのWebサイトの「Shows」というページを見ると、これまでのライブが載っている。2011年4月以降で17本のライブが載っていて、内3本は2012年の日本でのもの(丸の内コットンクラブ2回と、モーションブルー横浜1回)と1本がニューヨーク、これら以外の13回は、すべて地元ウィスコンシンでのライブだ。

こう書くと、なんか地方都市のマイナーバンドという感じなのだけど、音は結構すごい。最初聴いたときには、メリハリの効いた16ビートのリズムに、挑みかかるブラスの感じからすぐにTower of Power を思い出した。実際、「新世代のタワー・オブ・パワー」というような言われ方もされていたようだ。でも聴いていくと、タワー・オブ・パワーが持つヘヴィーでブラックなノリもありながら、もう少し軽めで軽快な都会の夜な感じもあり、インコグニートあたりのアシッド・ジャズな感じもある。いずれにしても、小気味いいリズムがスリリングで心地良い。

メンバーの何人かは広く活動しているジャズ・ミュージシャンで、バンドとしては、2003年から2005年くらいの間に、雑誌「ローリングストーン」に取り上げられたり、各地のジャズやブルースのフェスなどで話題になり、全米に知れ渡るようになったようだ。日本でも、2度の来日時にはそれなりに話題になったようだ。

それにしても、ウィスコンシン州と言えば、「酪農の国」と言われている農業のさかんな州。そんな州の中でこんなバンドが誕生し、一時は全米に知れ渡った経歴を持ちながら、出身地にこだわって地道に活動を続けているジャズ・ファンク・バンド。アメリカの音楽文化の広さと深さを感じる。

今回はYouTubeに入っている動画を1本ご紹介しておく。2018年のライブから。曲のタイトルが「Rocco」。タワー・オブ・パワーのベーシストRocco Prestia に敬意を表した曲なのだそうだ。インスト曲で、このどこにRoccoへの気持ちが入っているのかよくわからないが、それはさておき、こんな曲を作って演奏しているあたりからして、すごい実力を持っていながらも、アマチュアっぽい新鮮な気持ちをずっと持ち続けてるバンドなのかという気がする。


Phat Phunktion tribute to Rocco Prestia