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Carole King / Pearls: Song of Goffin and King

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ちょっとしたきっかけから、キャロル・キングの過去アルバムを改めて探って聴いてみた。その中で見つけた1枚がこれ。かつての曲作りのパートナーであり、4回結婚した中で最初の旦那さまだった作詞家ジェリー・ゴーフィンとキャロルの共作曲を集めた1980年のアルバム。

僕がキャロル・キングを認識したのはTapestry(邦題「つづれおり」)を聴いてからなので、彼女のことをシンガー・ソング・ライターだと思っていた。でも、もともとは自らは歌わず他のミュージシャンに曲を提供するソングライターとして数々の名曲・ヒット曲を出していた人なのだ。このアルバムはその頃の曲を自ら歌って録音し直したもの。

ビートルズがアルバム「Please please me」でカバーした「Chains」も含め、発売当時ヒットした曲が数々含まれている。だけども恥ずかしながら、僕は収録曲の中で知っていたのはあの有名は「Locomotion」1曲だけだった。

でも知らなかった曲でも、どの曲も素晴らしい。ソングライターとして卓越していたのだと改めて感じるのと同時に、シンガーとしてもとても優れた人なのだと思う。特に、Tapestryがあまりに良すぎたあと、少し考え過ぎてしまったのか、その後のアルバムの勢いが今一つ感じられなかった中、このアルバムでのキャロルは歌も演奏もとてものびのびと弾けている感じがする。

ネットで調べてみると、発売当時の評判としては、過去の栄光にすがっているだの、他のシンガーが歌った元曲に対しアレンジが良くないとか、あまり良く評価されなかったようだ。裏方の作曲家として手掛けた曲は、どうしても最初に発表したシンガーのイメージの方がお馴染みになってしまって、その慣れ親しんだアレンジが変わるとどうしても拒絶感が出てしまうことがあるのだろう。

そんな意味で僕のように、裏方作曲家時代を知らないまま、先入観なく曲の良さとキャロルのボーカルの良さを素直に両方受け止めることができたならば、よりお得にこのアルバムを満喫することができるのではないかと思う。